
ふとした時、誰にでも、なんとなく心がざわついて、落ち着かない日があると思います。
仕事のこと、家族のこと、将来のこと。頭の中にそれらが浮かび、寝付けなかったり、物事に集中できない。
「自分は何をしたいんだろう?」「このままでいいのかな?」そんなモヤモヤとした不安や焦りがずっと胸にあって、どう向き合っていいか分からない。
近年、自己啓発系の本やYoutubeが伸びるのも、今の日本に日々不安を感じる人が多いからと思われます。
私もその1人で、特に人生の転換期(受験、就職)には、より一層自分の選択に悩み、不安を感じる日々を過ごしました。それらを払拭すべく、上記自己啓発系のコンテンツに浸ったあげく、心理学の「感情のレイヤー」という概念にたどり着きました。
本記事では、そんな私の体験も交えつつ、感情を「ただの不安」で終わらせずに、そこから本当の気持ちを見つけ出し、自分を楽にする方法を自分なりの言葉で伝えたいと思います。
このご時世、特に若い人は現状や将来の不安に苛まれている人も多いです。そんな方に向け、少しでも支えになる記事になれば嬉しいです。
「不安」や「焦り」は一枚の感情ではなく、層状に形成されている
「不安」という言葉を聞くと、単純な感情の1つと捉えられることが多いです。でも実際には、複数の感情が重なり合ってできていることがほとんど。
私がそうだったように、仕事で「うまくいかない」と感じるとき、実はその裏に「認められたい」「安心したい」「失敗したくない」という気持ちが潜んでいます。
こうした多層構造を理解することで、自分の感情に対して「なんでそう感じているんだろう?」と自然に興味が湧くようになります。
心理学者ロバート・プルチックの「感情の輪」では、感情は8つの基本から成り立っているとされ、複雑な感情はこれらの組み合わせと強度の違いで作られると考えられています。
プルチックの「感情の輪」

例えば、「畏怖」は「不安」と「放心」が混ざったものとも言われています。だから、「不安」と一言で言っても、その正体はさまざま。だからこそ、焦らず自分の感情を丁寧に掘り下げていくことが大切です。
感情のレイヤーに気づくことで変わること
不安をただ「不安」と捉えていると、「なんとなくモヤモヤする」「自分はダメだ」とネガティブなループにハマりがち。
でも、感情の奥にある本当の気持ちに気づくと、「認められたい」「安心したい」という自分のニーズが見えてくる。
そうなると、ただ感情に振り回されるのではなく、具体的に「こうしてみよう」という行動が見つけやすくなる。
この感情のレイヤーを理解により、「自分は承認されたいんだな」と気づき、そのためにできる小さな行動を考えられるようになった。
「感情のレイヤー」を探る3ステップ

ステップ1:今感じていることを書き出す
まずは、漠然とした「不安」や「焦り」を具体的な言葉として書き出します。
たとえば、以下の通り。
- 「仕事でミスが続いて不安」
- 「最近、パートナーとの意見が合わない」
まずは何かしらを書き出すことが重要なので、体裁は気にしなくてよいです。思ったとおり書き殴り、文章が整っていなくてもよいです。
ステップ2:「なぜ?」を繰り返して深掘り
次に、その感情に対して「なぜそう感じるのか?」を自分に問いかけます。
例:
「なぜ仕事でミスが怖いのか?」
→「失敗して評価を落としたくないから」
「なぜ評価を落としたくないのか?」
→「認められたい、自分の価値を感じたいから」
この「なぜ?」を5回ほど繰り返すと、表面的な不安の奥にある本当の気持ちに気づくことができるようになります。
ステップ3:どんな感情も否定せず受け入れる
そして大事なのは、その感情を「ダメなもの」と思わないこと。
深堀りを進めるにつれ、段々と本性や本能的な感情が生まれてきます。こんなことを思う浮かぶ自分はダメな人間だと思いたくもなるが、ここは自身を否定せず、受け入れることが大事です。
どんな感情も。人間としてごく自然なものなんだと受け入れる。自分の感情に優しくなると、心は少しずつ軽くなります。
【体験談】:感情のレイヤーが教えてくれたこと

私が職場で感じていた不安は、単に「仕事ができないかもしれない=無能」という表面的なものだけではありませんでした。
ワークを通じて見えてきたのは、
「上司に認められたい」「自分の存在価値を感じたい」という深い願いです。
この気づきがあったからこそ、自己否定のループから抜け出し、
「まずは今日できることを丁寧にやろう」と前向きに思えるようになりました。
“できない”→”できたこと”、”かもしれない”→”実際に起こったこと” というように、ポジティブなワードに置き換えることができる。この気づきもワークが教えてくれました。
感情を整理して不安や焦りを減らす3つの基本習慣
毎日5分、感情を書き出す時間を作る
どんな小さなことでもOK。感じたことをそのまま書く習慣をつけましょう。
私はスマホのメモ帳に「今日はこんな不安があった」と毎日記載していました。特に、新卒入社したばかりの頃は、毎日新しい不安が生まれるため、メモすることが多かったです。慣れてからも、これから昇進できるかや転職するか等、様々な不安が頭をよぎりました。
書くことで自分の感情に向き合う練習になり、少しずつ整理されていきます。
信頼できる人に話す
感情は話すことで整理され、孤独感も和らぎます。友人、家族、あるいは専門家に話すのも効果的です。
現代では、音声チャットや悩み相談系のSNSが普及されています。それらを活用して、見知らぬ誰かに相談するのも良いです。
無理に深掘りする必要はなく、「ただ聞いてほしい」と伝えるだけでも気持ちは楽になります。
3. 身体を動かしてリラックスする時間をつくる
深呼吸、ストレッチ、散歩など、身体を動かすことで心も落ち着きやすくなる。俗に云うマインドフルネス。マラソン等の高負荷のスポーツであるほど効果が大きいです。
このような不安や焦りは、暇な時間や寝る前に創造されることが多いです。
感情は身体と密接に結びついているので、身体ケアも大事なセルフケアとなります。
まとめ:感情のレイヤーを理解し、自分をもっと大切にする第一歩に

不安や焦りは決して「弱さ」ではない。
それはあなたの心が何かを伝えようとしている、大切なメッセージ。
とあるYoutubeで見たが、不安という感情が人類の進化で淘汰されなかったのは、生存力を高め、子孫繁栄に役立つからだとか。
なので、不安を感じることを否定的に捉えなくても良いです。逆に不安という感情が、これからの人生を改善するための一歩を踏み出すきっかけを生み出しているとも言えます。
今回紹介した感情のレイヤー理論と、具体的なワークを通して、自分の心と丁寧に向き合って欲しいです。
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