今やインタネット上でエントリーシート(ES)を出すご時世。膨大な量のESを確認することが難しい企業側にとっては、学歴フィルターだけで就活生のことを判断することも少なくはありません。
就活生の中には、大学生の時に色んなことを頑張ってESも一生懸命書いたのにも関わらず、最終学歴がネックとなり、選考に進めない人もいるでしょう。
当時学部3回生であった私も同じで、ほとんどの企業で面接まで進むことができませんでした、、、
そこで私は、最終学歴を変えるために勉強を始め、偏差値の低い私立理系から国立の理系大学院へ学歴ロンダリングを行いました。
本記事では、前後半に分けて学歴ロンダリングまでの流れと実際に就活では有利となるのかを、私の経験を元にお伝えします。
学歴ロンダリングの難易度
学部とは異なる大学の大学院へ進学することは実際どれほどの難易度になるのでしょうか。
結論、大学入試と比較して圧倒的に進学しやすいです。理由としては、以下が挙げられます。
そこで今回、上記を挙げた根拠について実体験を元にお話ししていきます。
受験教科が少ない
まず、受験教科が少ない点です。
通常、国公立の大学院へ進学する場合には5教科7科目、私立に関しても、平均3科目の試験がありますよね。
大学院の試験にはそのような大量の試験を受ける必要がありません。
一般的には自身の専攻する分野1〜2科目や、専門分野1本のみというのが多いです。
私の場合は、物理学専攻でしたので、力学(解析力学)、電磁気学、量子力学の大問が1つずつといった形式でした。志望大学院の受験科目を事前に把握・対策することで、点数は確保するのは不可能なことではありません。
加えて、近年では英語力を重視するところもあり、私が受験した大学院にも英文読解がありました。
といっても、その大半が専門分野に関する英文であるため、専門分野に関する英単語さえ抑えておけば、何と無くですが、読めるレベルではありました。
英文中に定義式や式の条件等が言及されていることも多く、上記英単語が全く分からずとも読み進めることができたりもします。
またTOEIC(L &R)のスコアを求められる研究室もあります。
私が受験した研究室もスコアの提出を求められましたが、何点以上必要といった制限はなく、参考程度という認識でした。
しかし、同じく大阪大学大学院の別専攻では、TOEIC(L &R)のスコアが730以上必要な研究室もあり、
専攻や研究室ごとに明確な差があるのは確かです。
本記事の以降で、研究室訪問に関して述べているので、そのタイミングで教授へ確認しておくのが大切ですね。
参考程度ですが、大学院へ提出した私のTOEIC(L &R)のスコアは655です。後日談ですが、内部進学性にスコアを確認したところ、皆500台であったことから、阪大生は700や800以上は当たり前という勝手なイメージが覆されました(笑)。
面接のみの研究室もある
次に筆記試験がなく、面接のみの研究室もあります。
この場合、学部在学時の成績(GPA)やその専門分野に対する知識が問われます。
ですが、前述とは異なり、筆記試験ではないので、何かを導出しろやニッチな質問ではなく、俯瞰的にその分野を理解しているかが問われます。
また、大学院進学後に何をしたいかや、これまでの興味からなぜこの研究室を選んでいるのか等、就活に似た設問は当たり前のように飛んできます。
この時、最終学歴を変えたいからという気持ちのみで乗り込むと、面接官に速攻見抜かれて、図星を突かれる可能性があるので注意しましょう。
私も初めに受験した大学院でロンダリングを見抜かれてしまい、特に言い返せる訳もなく、印象を悪くしてしまいました。教授自身も、自分の研究に興味があると思われることは嬉しいので、その部分はしっかりと事前準備していきましょう。
参考程度ですが、私が実際に聞かれた質問とその回答についてお伝えします。
Q1.教授「なぜ量子力学を勉強しているのですか」 A1.まさあん「私たちの目に見えている光景が全て量子力学によって成り立っているからです。例えば、光の反射・透過がその例です。マクロな視点で見ると、光の反射は、ボールが壁にあたって跳ね返るイメージと同じですが、量子力学の観点で述べると、物質表面付近の電子の振動やその物質自体が光エネルギーと相互作用しやすいかどうかで反射量や透過量が決まります。このように身の回りで起きている当たり前な現象を量子力学の観点で正しく理解したいと思い勉強をしています。 Q2.教授「あなたが研究室を変える理由は何ですか。あなたの大学でも同じ専攻はあると思いますが。」 A2.まさあん「私の大学では、研究したい分野の実験を行う研究室はありますが、理論を突き詰める研究室はありません。これまで実験の結果だけを考察し、何故そうなるのかといった理論的な部分の勉強を怠っており、大学院へ進学する上で、一度理論から学び直し、理論と実験を紐づけた結果を出したいと思っています。そこで、専攻分野の実験・理論研究室の両方があり、〇〇といった理由も含めて大阪大学の〇〇専攻〇〇研究室へ変更しようと考えました。
今見返すと、表面的な文章ですが、私の学力で絞り出せる最大限のワードを発していたと思います。
人手不足の研究室もある
3つ目は理系研究室の人材不足です。
自身が他大学の大学院を目指すように、大学院内の人は本当に入れ替わりが多いです。
特に新規立ち上げの研究室や、いわゆる内部生のみが知るブラック研究室等です。
単に学歴ロンダリングだけ狙うのであれば、これを利用するのも手ではありますが、あまりに興味無い研究であったり、教授の印象が良くない場合は、素直に別の研究室を目指しましょう。自分自身が研究生活を続けることが難しくなります。
大学院入学前後にやること
院試前
上述の内容を踏まえて、進学先を決めましょう。
この時、1つに絞るのでは無く、複数の選択肢を持つことが大事です。
特に同分野の研究で選択肢を持つことで、研究室間の相対評価ができ、また今何がトレンドで、入学後どういったことに取り組むことになるのかのイメージが付きやすいです。
進学先の候補を決めたら、志望の研究室HPにアクセスし、教授にアポを取りましょう。
基本的にはHP内の”メンバー”のページに個人のメールアドレスが記載されているので、そちらから入手するのが基本的なルートです!
また、研究室によっては助教や秘書の方がいるので、そちらもCCに入れておくことをお忘れなく。
教授は日々忙しいので、知らないアドレスからのメールに気づかずにスルーされてしまう可能性があります。
こちらから確認する手段は無いので、少しでもリスクヘッジするために、宛先を増やしておくことは大切です。
間違えても研究室の学生に連絡するのは辞めましょう。私が大学院時代にも知らない学部生の方から、研究室について教えて欲しいと聞かれましたが、教授の方から返信するなと言われたので無視しました。研究室のことが気になるなら、まずは教授から!順序を間違えると、かえって印象を悪くしてしまいます。
教授とアポが取れましたら、日程を決め、研究室に訪問しましょう。
また教授も、外部の学生が自身の研究室に興味を持ってくれることは非常に嬉しいと感じているので、積極的に質問をし、可能な範囲内で院試対策を教えて貰いましょう。
内部の学生や院生と接触できる機会があれば、過去問などを頂けるかを聞いてみるのも手ですね。とにかく、恥ずかしがらずに!聞けることは聞いて、持ち帰れる情報は全て入手しましょう。
上記が終われば、あとは院試に向けて対策あるのみです。
冒頭で説明した通り、科目数も少なく、適切に対策すれば、合格することは難しくないため、最後の受験勉強だと思い、頑張りましょう。
院試合格後
院試合格後は、再度教授とアポを取り、研究室訪問しましょう。
そこで実際に、入学までに必要なことや、手続き関係など、積極的に聞いておくことが大切です。
また、教授は入学までに必要なこととして、学部の卒業研究をきちんとやり切ることとおっしゃられることが多いです。
要するに、院での研究は院に入ってから頑張れば良く、今しかできない研究に注力しろということなので、
学部を卒業したら今の大学にいないからといって、卒業研究の手を抜くことだけはやめましょう。
大学院入学後
大学院入学後は、誰よりも研究室に通い、内部生に少しでも追いつけるように努力することです。
そもそも偏差値の高い大学に進学していることに加えて、内部生は自分よりも半年多く、研究をしています。
早い人であれば、院進学後すぐの学会で発表する人も出てくるでしょう。
そのような進捗の差を見て、自分は遅れている、外部生だから、といって努力を怠るのではなく、少しずつ自分のペースで研究を進めることが大事です。
人間関係も一からスタートなので、馴染みづらいことも多いと思いますが、こちらも自分から積極的に話しかけ、ヒューマンネットワークを広げていきましょう。
特に2年しかない、修士課程においては、授業の単位取得、学会発表、就活など、様々なイベントがあり、それぞれ情報を握っている人が有利になります。
そのような場面で、自分にも情報が回ってくるようにするためにも、人間関係の構築は必須です。
私の経験上、研究を真面目にすることと同じぐらい重要だと思います。
総括
学歴ロンダリングによる大学院進学について、大学院入学後までの過程をお話ししました。
後編では、実際にロンダリングした学歴で、就職活動に有利なのかや、実際の私の経験から感じる、ロンダリングのメリット・デメリットをまとめていきたいと思います。
大学院進学で悩んでいる、偏差値の高い大学院へ進学してみたいと思っている方は、コメントに書き込んで貰えると、私のほうからアドバイスさせて頂きます。
↓↓ 以下、後編になります。興味がございましたら、ぜひどうぞ↓↓
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